地質災害委員会

平成19 年 (2007 年) 能登半島地震 現地調査速報 NEW

07.6.20更新

<金沢大学チーム>
<富山大学チーム>

<山形大学・金沢大学合同チーム>

<信州大学チーム>

富山大学チーム 3月27日調査報告

富山大学のチームは,現在のところ,竹内・大藤・柏木・道家(D2)の4名プラス学部学生ですが,富山在住の地質調査業関係の人々も活動しているので,合同の調査団ができつつあります。(富山大学/日本地質学会/富山地学会/富山応用地質研究会の合同)

今日は,柏木・道家が震源地に出向いております。
測地観測の初動作業(GPS受信機の設置)は本日午前中に完了しました。午後から,災害地質関連の地形・地質調査を始めています。

明日は,ハスバートル氏((株)三和ボーリング)が加わり,竹内・柏木・道家の4名で地震地質調査・地震地盤変状調査を行う予定です。


氷見市姿_1 海食崖の崩落現場(氷見市姿)。
頂部がジャンプして落下。

氷見市姿_2 築100年の土蔵の正面(南)と東壁。
漆喰が飛び落ちた。

富山大学大学院理工学研究部(理学) 竹内 章


金沢大学チーム 3月26日調査報告

3月26日に行った能登半島震に関する空からの調査について簡単に報告します.
まず,この地震の被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます.

3月26日午後,共同通信社の依頼により,ヘリで能登半島西方沖地震被災地の空からの調査を行いました.海岸の崩落は旧富来町の関野鼻付近から始まり,黒島から門前に至る谷沿いで最も家屋の被害が激しく,その北の深見付近まで海岸の崩落が見られましたが,更に北の猿山灯台付近は全く崩落がありませんでした.しかし,輪島市街北西の龍ヶ崎や北東の千枚田までの海岸線には再び崩落が見られました.このことは,門前から輪島に至る直線を軸に強震帯が北東方向に延びていることを示します.山間部には地すべりや崩落はほとんどなく,能登有料道路の8箇所ほどの損壊は多くが盛土部分で発生しています.穴水の被害は輪島より少ないように見え,七尾や氷見では空からわかる被害はほとんどなく,液状化も埋め立て地や沖合いに延びる突堤に限られているようでした.


1060: 関野鼻レストハウス下の海食崖の崩落
(海が濁っている部分も今回の崩落箇所)

1075: 深見付近の海岸斜面の崩落が道路を塞ぐ

1105: 能登有料道路の盛土部分の損壊

1112: 氷見漁港の突堤の陥没と液状化による
砂の噴出跡

金沢大学チーム 3月25日調査報告

平成19年3月25日午後1時より,金沢大学理学部の河野芳輝名誉教授,工学部の北浦 勝教授と3人で,志賀町,旧富来町, 旧門前町,輪島市方面の調査に行って参りました. 旧門前町中心部の総持寺周辺の被害が最も大きく,寺院や商店で全壊に近いものが数戸見られました.また,門前西方の海岸沿いで材木工場の倉庫兼作業場が全壊していました.輪島市中心部でも,古い木造家屋で倒壊しているものがありましたが,輪島市街全体としては,門前に比べて被害は軽いようでした.道路も橋や盛土の部分で段差や崩落,地割れが多々あり,走行に危険を感じました(特に,帰りは暗くなってしまったので).ヤセの断崖から関の鼻にかけての海食崖が崩落て海水が濁っており,関の鼻のレストハウス(食堂・土産物屋)の基礎の一部が宙に浮いた状態になっていて危険なので,従業員に避難を勧めました.

金沢大学理学部地球学科 石渡 明