東日本を襲った超巨大地震に関して

東日本を襲った超巨大地震に関して

 

 2011年3月11日に発生した日本の観測史上最大であるマグニチュード9の超巨大地震「2011年東北地方太平洋沖地震」は,甚大な被害をもたらしました.なかでも大津波の襲来により,多くの人命が失われたことは痛惜の思いです.被害に遭われた方々へお見舞いを申し上げますとともに,亡くなられた方々への哀悼の意を表します.

 今回の地震は,長期間にわたって強い余震が発生する事が予想されています.また,日本列島全域にわたって地震活動が活発化しており,更なる災害を警戒する必要がありますが,そうした災害が起こらない事を願っています.

 地質学は,地層や岩石などに刻印された過去の様々な変動の歴史を読み取りますが,過去の履歴を精密に解析することによって,将来起こりうる事変を予測することが出来ます.実際に,今回のような超巨大地震が1000年毎位に発生していたこと,そしてそうした超巨大地震が迫っている可能性も最近明らかにされ始めていましたが,残念ながら今回の事態には間に合いませんでした.

 日本地質学会は,今回の超巨大地震に関する地質学的観点からの調査や,津波堆積物などに記録された過去の超巨大地震の履歴研究などの推進に努めるとともに,復興をはじめとして,長期的な防災・減災対策にそれらの研究の成果を生かせるように努力する所存です.
 

会長 宮下純夫

(2011/3/14)