意見・提言2021

熱海伊豆山地区土石流についての会長コメント

2021年7月6日

一般社団法人日本地質学会
会長 磯行雄

 梅雨前線の活発な活動により,2021年7月3日に静岡県熱海市伊豆山地区では土石流が発生し,甚大な被害が生じました.亡くなられた方々にはお悔やみ申し上げるとともに,被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます.本学会としては,この災害の発生および規模の拡大にどのような地質学的な要因があるのかを注視しているところです.会員および関連機関による最新の調査報告について随時学会HPで発信していく所存です.

 

東日本大震災から10年にあたって

2021年3月2日

一般社団法人日本地質学会
会長 磯行雄

2011年3月11日に発生した東日本大震災から間もなく10年となります.未曾有の大災害に対して各地で復興はすすんでいますが,未だ被災者の皆様の心の傷は十分に癒やされていないことでしょう.この10年間を顧みると,地震だけでなく,火山噴火,台風や大雨などによる風水害,土砂災害,大雪による雪害など,個別に挙げるのもためらうくらい多様な災害に見舞われました.さらに,新型コロナウィルスの世界的な蔓延は人間社会に計り知れない影響を与えています.
 

そんな中,再び2月13日に福島県沖でM7.3の地震が発生し,地域によっては東日本大震災の時よりも大きな被害がでました.防災科学技術研究所によると,宮城県山元町の観測点でこの地震による揺れの加速度が1432ガルを記録しました.これは,2016年4月16日の熊本地震において震度7を観測した熊本県益城町で記録された1362ガルを上回るものでした.今回の福島県沖の地震は東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震の余震と考えられ,今後これを上回る余震が発生する可能性も否定できません.一人一人の人生のスケールとは違い,自然災害は決して10年で一区切りとはならないことを再認識させられました.
 

地質学会では,災害が発生する度に地質災害委員会を中心に会員が携わる災害調査,発生原因の研究結果等を取りまとめてホームページに掲載する等の活動を行ってきました.2011年には東日本大震災にかかる「復旧復興にかかわる調査・研究事業」として会員による調査研究事業を支援しました.また,複合災害への対応や異なる研究分野との協働のため,地質学会は防災学術連携体(日本学術会議の協力学術研究団体;自然科学,人文科学,社会科学など多岐に渡る58学会で構成)に参画しています.その中で豊かな知見を全体で共有・活用できるよう各種シンポジウムなどを活発に行っています.今後もこのような社会に貢献する学術活動を進めていくことが,本学会の重要な使命の一つであることを会員の皆様と共有したいと思います.災害に強い社会を作るために互いに協力して頑張りましょう.

 

 

令和3年度大学入試共通テストの地学関連科目に関する意見書

2021年2月22日

独立行政法人大学入試センター
理事長 山本 廣基 様

一般社団法人日本地質学会
会長 磯行雄

日本地質学会は、ここ数年にわたり、旧大学入試センター試験の地学関連科目の問題作成および得点調整に関わって、意見並びに改善に向けた要望を大学入試センターに申し入れしてきたところです。その要望の主眼は、地学関連科目の平均点が他の理科科目に比べて低くならないようにしていただきたいということでありました。本年度はコロナ禍の中、問題作成に携わった関係各位の努力に敬意を表するとともに、令和3年度大学入試共通テスト(本試験)の地学関連科目に関して、以下のような意見を申し入れ致します。
 

  1. 理科,痢崔漏愆霑叩廚砲いては基礎的な問題が出題されており、適正 かつ良質な問題であったと考えます。他の科目の平均点と比べて難易度も適正であったと思われます。
  2. 理科△痢崔漏悄廚砲いても、共通テストの目的に合致した思考力・総合力が試される、良質な問題であったと考えます。しかし、「地学」の平均点は47.06 点で、昨年よりは少し改善されたものの、例年同様、他科目に比べて低い得点となりました。問題・配点等を工夫していただき、平均点が他科目に比べて低くならないようにしていただきたく、さらなる努力をお願い致します。