​小さなEarth Scientistのつどい 〜第12回小,中,高校生徒「地学研究」発表会〜  


 鹿児島大会2日目に,小さなEarth Scientistのつどい〜第12回小,中,高校生徒「地学研究」発表会〜がおこなわれた.年会における発表会は11年前の静岡大会からおこなわれており,今回の開催で,12回目を迎えることとなった.この発表会の目的は,地学普及の一環として学校における地学研究を紹介することで地学教育の奨励と振興を図ることと,地学を研究する児童・生徒と研究者の交流が進み,地球科学普及の一助となることである.

 今回の発表会もポスターセッション会場の一画を本企画の会場として利用させて頂いたので,多くの会員の方にご参加頂けたものと思われる.広い体育館の一部を会場として利用したが,若い地球科学者の熱気で,その一角が非常に蒸し暑かったことを記憶している.今回は,はじめての九州における開催である.どの程度,地元からの参加があるか不安であったが,鹿児島県内から4校の発表があった.全体としては 11校(14件)の発表となり,残念ながら前回の仙台大会,前々回の大阪大会を下回った.なお,学校行事が重なったために,当日会場に来ることができなかった学校や,遠方であるためポスターのみを送付していただいた学校もある.
  この発表会では理事を中心とした審査員によるポスター審査を行っており,審査基準は,「研究の動機が明確であり,問題点をはっきりととらえているか」,「観察・実験から導かれたデータを基に,結論が導かれているか」,「わかりやすいポスターとしてまとめられているか」の3つの観点である.一方で,発表(説明内容)については,加点していない.「全体的に優れている」発表に対して優秀賞を,「フィールドに根ざして研究を行っており,今後の成果が期待される」発表に対して奨励賞を授与している.今回は名簿前半の理事の方々にお願いし,約半数の方が実際に審査をしていただいた.
 全ての発表を審査した結果,下に示す3件の発表に対して優秀賞が授与されている.また,フィールドに根ざして研究している学校への奨励賞については,下の3件に授与された.
 最後となったが,審査にあたっていただいた理事各位,鹿児島県内の学校の先生方,行事委員会委員,会場校である鹿児島大学と西日本支部の関係各位,さらに今回の発表会参加者(生徒と引率の先生方)に謝意を表したい.

(地学教育委員会委員長 三次徳二)

【優秀賞】(3件)
  • 兵庫県立西脇高等学校地学部(マグマ班)「本校が立地する兵庫県中部地域の基盤岩の形成史」
  • 京学芸大学附属高等学校「世界の色を形に〜砂からつくったガラスの発色に関する考察〜」
  • 兵庫県立西脇高等学校地学部(都市環境班)「兵庫県南部地震の余震(2013年4月)と加古川市南部の地盤の動き―マンホール周囲の道路面の亀裂に着目して―」

【奨励賞】(3件)
  • 鹿児島玉龍高等学校サイエンス部天文班「月のクレーターの研究」
  • 兵庫県立加古川東高等学校地学部(凝灰岩班)「地元凝灰岩 長石・高室石・竜山石の性質の相違による堆積環境の推定」
  • 北海道札幌あすかぜ高等学校自然科学部地学班「西南北海道,雷電海岸に分布する岩脈について」

【発表会参加校】(11校・14件)  
  • 鹿児島玉龍高等学校サイエンス部天文班
  • 鹿児島県立鶴丸高等学校地学部
  • 鹿児島県立錦江湾高等学校理数科3年地学班
  • 鹿児島県立国分高等学校理数科課題研究地学班
  • 北海道札幌あすかぜ高等学校自然科学部地学班
  • 群馬県立太田女子高校地学部
  • 東京学芸大学附属高等学校
  • 早稲田大学高等学院理科部地学班
  • 山梨県立日川高等学校(2件)
  • 兵庫県立加古川東高等学校地学部(2件)
  • 兵庫県立西脇高等学校地学部(2件)