地質学会が大型研究計画に提案(5/27公聴会)

掲載日:2019年04月16日

日本地質学会が大型研究計画に提案!!
「地球惑星研究資料のアーカイブ化とキュレーションシステムの構築」

一般社団法人日本地質学会
執行理事会

大型研究計画とは,世界の学術研究を先導する画期的な成果を挙げる大型プロジェクトを,社会や国民の幅広い理解と支持を得つつ,国家プロジェクトとして推進する施策です.研究分野コミュニティの意向を踏まえて,日本学術会議が選定し,文部科学省が推進します.3年ごとに改定され,今回が第24期となり,全面的な改定が予定されています.大型研究計画の提案カテゴリーには大型施設計画と大規模研究計画があります.日本地質学会では,多くの会員が切望し,かつ現在のみならず将来にわたって持続的に地球科学研究を発展させるために「地球惑星研究資料のアーカイブ化とキュレーションシステムの構築」を大型施設計画として提案しました.以下に,提案内容について概説します.

日本で近代科学が産声をあげて150年,日本の研究者は公的な研究費を用いて国内外から多くの岩石・化石試料や隕石,地質・地形情報等(以下,地球惑星研究資料または資料)を集めてきました.しかし,博物学が重要な位置付けを占める欧米と異なり,日本では研究資料のキュレーション施設の整備が大きく立ち遅れています.そのため,学術的価値の高い資料や科学的遺産にあたる資料でさえ維持するのが難しい状況です.加えて各国の土地開発や紛争及び試料の採取・持出制限によって,新たな外国産資料の確保がますます困難になりつつあります.そこでキュレーションがますます重要となるのです.既存資料の保管による科学的貢献の例として,近年のアポロ試料の再分析による月の水の存在の新証拠の発見やカンブリア爆発の概念を創出したバージェス頁岩の研究等があります.どちらも30年以上,公的機関に保管された試料の研究から始まりました.さらに,近年の急速な研究技術の進歩を考えると,現在不可能とされる化石の超微量分析,古代ゲノム,地震時に形成された断層岩の超微小領域解析も将来可能となるでしょう. 

本計画は,資料のデジタル化とそのオープンアクセス化,現在分散保管されている資料のアーカイブ化とそれらを網羅する統合データベースの構築,そしてそれらのデジタルデータと実試料の保管・提供を統括する『地球惑星研究資料アーカイブセンター』の新設を提案します.その体系を早急に構築することで,短期には現在日本の地球科学において国際競争力のある岩石・化石試料を基盤とした研究分野を支え,長期では未来の研究者との共同研究として研究技術が高度に発達した30〜100年後を見据えた科学の発展に寄与します.また,古地形や地盤データのオープンアクセス化,資源試料の提供及び研究資料の博物館,初等教育機関及びマスメディアへの貸出の一括管理は日本の産業,都市開発,生涯学習及び初等教育にも貢献することが期待されます.

今後の予定として,5月27日(月)に日本地球惑星科学連合2019年大会のユニオンセッション「地球惑星科学の進むべき道9:大型研究計画とマスタープラン2020」にて,大型研究計画の公聴会があります.本提案は,14時08分から発表予定です.当日は各発表について,随時アンケート投票が受け付けられ,地球惑星科学に携わる研究者から広く意見を聴取する予定です.

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