2013年度各賞受賞者 受賞理由

■日本地質学会賞(1件) ■Island Arc賞(1件) ■小澤儀明賞(1件) ■柵山雅則賞(1件)
■小藤文次郎賞(1件) ■学会表彰(2件)    

日本地質学会賞

受賞者:井龍康文(東北大学大学院理学研究科)
対象研究テーマ:琉球弧の第四紀石灰岩と海洋炭酸塩堆積物の堆積学的・地球化学的研究

   井龍康文会員は,炭酸塩堆積物に関する堆積学的研究,造礁生物に関する古生物学的研究,炭酸塩生物骨格・殻に関する地球化学的研究において優れた業績を挙げてきた.井龍会員の代表的な研究成果として,琉球列島の第四紀サンゴ礁堆積物(琉球層群)に関する研究がある.井龍会員は,現在の琉球列島の現世サンゴ礁の生物相・堆積相についてフィールド調査と室内での精密な記載に基づく研究を行った上で,琉球層群を構成する石灰岩の岩相区分を確立し,堆積環境を決定した.それによって沖縄本島等の島々に分布する琉球層群の層序が確立され,サンゴ礁が汎世界的海水準変動と第四紀造構運動に規制されながら形成されてきた過程が詳細に復元された.これらの成果は国際的に高く評価され,国際陸上科学掘削計画(ICDP)による掘削が予定され,さらなる発展が期待されている.井龍会員は,環礁性堆積物の堆積・続成史に関する研究でも卓越した業績を挙げている.
特に,結晶学的手法と同位体地球化学的手法を組み合わせた独自の手法で,ドロマイトの晶出履歴と母液の化学組成・同位体組成を明らかにした成果は特筆に値する.井龍会員は,炭酸塩生物骨格・殻の炭素・酸素・ホウ素同位体組成および金属元素濃度を用いて,過去の表層海水温,塩分,pH等を高分解能で復元する研究にいち早く取り組み,現生・化石サンゴや現生シャコガイ殻から,後氷期の海水温や過去200年間のENSO(エルニーニョ・南方振動)を復元するなどの優れた業績をあげた.近年は,顕生代全般をカバーする優れたプロキシとされてきた腕足動物殻の炭素・酸素同位体組成に関する研究で,従来の研究を覆す結果を示し,世界的に注目されている.
以上の研究成果の多くが学生・院生の筆頭論文として公表されていることからわかるように,井龍会員は教育にも熱心に取り組み,多くの指導学生・院生が大学や地質学関連企業に勤務している.井龍会員は,統合国際深海掘削計画(IODP)やICDPに対して,学術面(IODP第310次航海共同主席研究者等)のみならず,運営面でも国内外の委員を歴任し,世界の地球掘削科学を牽引してきた.また,Island ArcやPaleontological Researchの編集委員長としての功績も大である.さらに,地質学会では執行理事等として学会に貢献してきた.
以上のような地球科学に対する大きな貢献に鑑み,井龍康文会員を日本地質学会賞に推薦する.

 

 

乙藤洋一郎(神戸大学大学院理学研究科)
対象研究テーマ:日本列島と大陸の変形を古地磁気学から探る

   乙藤洋一郎氏の研究はアジア大陸が形を変える現象について年代学を加味し古地磁気学を用いて可視化したことにある.日本列島,ロシア沿海州,琉球弧,チベット高原,インドシナ半島,インドネシア島弧と研究領域は5000 kmに及ぶ.これまでの古地磁気研究では,花崗岩が研究対象であったが,それでは変動による傾きの補正ができない.この欠点を克服するため,乙藤氏は水平面が補正できる溶結凝灰岩に着目し,熱消磁を施すことで溶結凝灰岩生成時の古地磁気データを手にいれることに成功した.乙藤氏は主として中国地方および東北地方に露出する古第三紀以降の溶結凝灰岩を対象にして古地磁気研究を行い,プレートテクトニクスも取り入れ,嘗てアジア大陸東縁部にあった日本が中新世に背弧海盆を開きながら現在の日本弧に至ったモデルを提案した.背弧海盆の急激な開きは15 Maであり,西南日本弧と東北日本弧は二つの独立したブロックであったとし,日本列島では西南日本が時計回りに,東北日本が反時計回りに回転した可能性を指摘した.日本海の掘削データや動物地理学からもモデルの妥当性が追認された.岩石学・同位体地質学的情報から日本海の拡大を引き起こした原動力はアジア大陸東縁部に流入したアセノスフェアにあるとした.ロシア沿海州での古地磁気調査研究から背弧海盆拡大を伴うアセノスフェアの流入は後期白亜紀にも生じたとした.さらにチベット・インドシナ半島の研究から東チベットの40度時計回り運動を世界に先駆けて発見した.現在のインドシナ半島はアジアから押し出されながら時計回りに回転したこと,半径700 kmの曲率をもつメコン川の曲りは現在のオロクライナル屈曲であることを示した.古地磁気学から求めたチベットの回転運動とGPS から推測される回転運動の比較研究から,回転する変動域が南東に移動している現象を見出し,アジア大陸の変形変遷史を明らかにした.大陸が衝突すると大陸が形を変えるのはプレートテクトニクスの理論が及ばない現象である.乙藤氏の研究は,地球表層の3割を支配する大陸のテクトニクス研究への登竜門と言える.彼は堆積物の磁化獲得機構や地球磁場変動研究などから地質科学一般の発展にも貢献している.彼がこれまでに公表した多数の原著論文は多くの論文に引用されており,特に日本列島形成のモデルについての論文は被引用回数が多い.以上のように,乙藤洋一郎氏の業績は日本地質学会賞に十分に値するものであり,ここに推薦する.

 

 

日本地質学会Island Arc賞

受賞論文:Hattori Keiko, Wallis Simon, Enami Masaki and Mizukami Tomoyuki, 2010. Subduction of mantle wedge peridotites: Evidence from the Higashi-akaishi ultramaficbody in the Sanbagawa metamorphic belt. Island Arc, 19, 192-207.

  The Higashi-akaishi ultramafic body is the largest garnet-bearing peridotites in the SambagawaMetamorphic Belt. Through mineral chemistry of coexisting phases and coupled thermobarometriccomputations, the authors have clearly and unambiguously documented the hanging-wall, i.e.,mantle wedge origin of the Higashi-akaishi peridotite; they have further chronicled its subsequenttectonic decoupling from the stable overlying plate and descent attending high-pressurerecrystallization along the subduction channel in traction with the downgoing paleo-Pacific oceanic lithosphere. This paper provides a good constraint to consider the genesis of the Sambagawametamorphic belt and an important insight into the not-well understood melting and tectonicprocesses in the wedge mantle, for which the article is highly evaluated. It will benefit not only theHP-UHP metamorphic petrologists but also a much broader scientific community involved insubduction zone research. The paper received one of the highest number of citations− based on the Thomson Science Indexfor the year 2012− amongst the entire candidate Island Arc papers published in 2010. The firstauthor has been active in the research of the behaviour of redox-sensitive metals and volatiles in avariety of settings such as subduction zones and the Archean Canadian shield, for more than 35 years. This paper adds to her many contributions and is a worthy recipient of the 2013 Island Arc award.

 

日本地質学小澤儀明賞

受賞者:尾上哲治(熊本大学大学院自然科学研究科)
対象研究テーマ:付加体の海洋性岩石を用いた地球環境変動に関する研究

    尾上哲治会員は,陸上付加体のフィールドワークを基軸とし,これに古生物学的,堆積学的,および地球化学的手法を取り入れ,多角的な視点から地球史の解明に挑戦してきた.彼がこれまで研究を進めてきた三畳紀という時代は,95%以上の生物種が絶滅した古生代末の全球的環境変動の直後にあたり,大絶滅の後の生物界の再編過程を知り,地球進化史を包括的に理解する上で重要な時代である.彼は九州大学の博士課程在学中,三畳紀の大洋パンサラサ海の古海洋環境復元に着目し,三宝山帯付加体の海洋性岩石の起源・形成過程の解明を目指して研究を進め,2005年に地質学会奨励賞を受賞した.具体的には,九州〜四国の三宝山帯の詳細な地質図を完成させ,三畳紀における浮遊性生物の進化史と遠洋性堆積作用のリンクやパンサラサ海での二枚貝・サンゴ化石群集の古生物地理,遠洋性堆積岩の古地磁気層序など,幅広い研究成果をあげた.彼は上記の研究過程で,付加体中の深海底堆積岩中には大気圏突入時に溶融した宇宙塵が普遍的に含まれることを見出し,これを回収することに成功した.また放散虫化石層序から三畳紀の地球に降下した宇宙塵の組成と降下量を明らかにした.過去の地球に流入した宇宙物質の組成や降下量の時間変化を解明した研究例はこれまでなく,現在は宇宙塵から三畳紀の大気酸素に関する情報を得る研究を進めている.最近の尾上会員の特筆すべき成果として,後期三畳紀の天体衝突事件の発見がある.彼は美濃帯の上部三畳系チャートに挟まれた粘土層から,隕石衝突に起源をもつ球状粒子や白金族元素異常を発見し,これがカナダのマニコーガンクレーターに由来する可能性を示した.さらに,この隕石衝突が当時の生物にどのような影響を与えたかについて詳細に検討している.米国科学アカデミー紀要に掲載されたこの成果は,多くのメディアに取り上げられた.また,この研究の契機となった三畳紀隕石起源スピネルについての短報(佐藤・尾上,2010)が2012年に小藤賞を受賞した.
尾上会員は,これまで一貫して野外調査を基礎に据えており,その能力は第一級である.さらに,様々な分野の研究者を巻き込んで研究を進める能力を有し,国際的に活躍する優れた地質学者になることが期待される.近年細分化が進む地球科学分野にあって,彼が展開してきた幅広い分野にまたがる包括的研究は高く評価されるものである.以上の実績から,尾上哲治会員を小澤儀明賞に推薦する.

 

 

日本地質学会柵山雅則賞

受賞者:岡本 敦(東北大学大学院環境科学研究科)
対象研究テーマ:沈み込み帯における流体移動と水—岩石相互作用に関する岩石学的実験的研究

    岡本 敦氏は,沈み込み帯における水循環とそれに伴う水−岩石相互作用を理解するために,特に変成岩について変成反応の進行度・不均質性の評価法を確立した.東京大学大学院生時代に発表した四国中央部別子地域に分布する三波川変成帯塩基性片岩中の角閃石の組成累帯構造にギブス法(微分熱力学法)を適用した研究は,それまでの断続的な温度圧力経路の推定から確固とした連続的な温度圧力経路を天然の岩石で定量的に示した点で画期的であった.岡本氏の研究以降,天然系における鉱物の化学組成から温度,圧力,反応量,そして物質の移動量などの逐次変化を逆問題として解くことが可能になり,海洋地殻の沈み込み帯における脱水,吸水量の時間的変化が求められるようになった.さらに静岡大学博士研究員時代に,東南極リュッツォーホルム岩体の高変成度珪岩のざくろ石の粒径と形態分布が変形ステージとやきなましステージの2段階で説明できることを定量的に明らかにした.この研究では,不完全であった鉱物包有物の変形機構を記述する従来の二次元モデルを三次元モデルまで拡張し,鉱物包有物の変形機構が細粒な包有物では拡散過程の効果が高くなるのに対して粗粒な包有物では転位クリープが大きく効くことを発見した.この業績は,鉱物の粒径と形態という地質学的に観測しやすい指標を用いて天然の岩石のレオロジーを理解する道筋を与えた点で秀逸であった.さらに,鉱物包有物研究から地球内部レオロジーを推定する方法を開拓したことによって,岡本氏の研究対象である地殻内部だけでなくマントル研究にもインパクトを与えるほど応用範囲は広い.また,本研究は岡本氏の専門の岩石学ではない岩石のレオロジー研究であったにもかかわらず,静岡大学在任中の短期間で仕上げた高い力量と柔軟な発想力そして展開力は,その後現在まで随所で発揮されている.東北大学に研究拠点を移してからの岡本氏は,地殻内部の流体移動経路として変成岩に残されている石英脈に着目し,その組織から小脈中を上昇した流体の速度を求めることに成功した.この研究以前は地殻深部における流体の挙動については定性的な推論が主流であったが,岡本氏の研究によって流体と岩石の相互作用に関して定量的な考察が可能になった.最近では,海洋リソスフェアにおける蛇紋岩化作用の研究に取り組んでおり,地球深部に持ち込まれる水の貯蔵プロセスの解明が期待されている.
以上のように,岡本敦氏はその初期の研究から現在までいずれの研究においても優れた理論的考察と鋭い洞察力が遺憾無く発揮されており,優秀な業績をあげている若手研究者として柵山雅則賞に推薦する.

 

 

日本地質学会小藤文次郎賞

受賞者:森田澄人(産業技術総合研究所)・中嶋健(同)・花村泰明(JX日鉱日石開発(株))
受賞論文:森田澄人・中嶋 健・花村泰明,2011,海底スランプ堆積層とそれに関わる脱水構造:下北沖陸棚斜面の三次元地震探査データから.地質学雑誌, 117, 95-98.

  本論文は,下北沖において三次元地震探査で発見された,巨大なスランプ層に関する報告である.陸棚斜面を構成する新第三系鮮新統・第四系中には,見事な覆瓦状構造と平行砂屑岩脈群が,差し渡し10 kmを越える広大な領域に形成されていることに驚かされる.これほど大規模なスランプ層は,これまで我が国の陸上地質に見いだされていない.同様の大規模なスランプ層は,大陸縁などですでに発見されているとのことだが,日本近海で発見されたということは,我が国の陸上に露出する地質時代の地層の構造の解釈においても同様の構造が存在する可能性を考慮すべきであることが,本論文で明確に示されたことになる.また,マップスケールで発達する断層などの規則的構造が1°足らずの緩斜面で形成されたことは,海底地すべりは必ずしも安息角を超える急斜面に形成されるわけではないという最近の説を裏付ける新しい発見である.このことは,陸上の地域地質から広域テクトニクスを考える難しさを示している.
以上,本論文はこれまでの地質学的常識を覆すような新発見であり,革新的な事実をもたらした論文に授与されるという小藤文次郎賞の趣旨に良く合致することから,同論文を受賞対象論文として推薦する.

 

 

日本地質学会表彰

 

受賞者:岡村 眞(高知大学総合研究センター)
表彰業績:地震・津波研究の新分野開拓と普及教育活動

  岡村眞氏は,活断層および津波堆積物の新しい試料採取システムを独自に開発して,地震地質学を切り開いてきたパイオニアであり,またその研究の成果を基にした防災教育を熱心かつ長年に渡って実施してきた.活断層研究においては,従来の陸上トレンチ調査よりも海底調査の方が地層記録の連続性において優位であることを見抜き,深海の地質試料採取に用いられてきたピストンコアラーが浅海活断層調査に有用であると考え,国内最長級の21m連続試料が採取可能な改良型ピストンコアラーを自ら製作して,これを浅海域の中央構造線活断層系の調査に活用し,高時間分解能の断層活動履歴研究の分野に道を開いた.また,太平洋沿岸域の淡水から汽水の湖沼に,南海トラフ沿いの巨大津波堆積物が保存されているであろうと考え,従来は採取が難しかった泥質および砂質の互層を乱さずに採取するためのバイブロコアラーを独自に開発した.これを小型ボートによる浮体式の櫓に設置し,大型船が入れない小さな湖沼でも調査できるサンプリングシステムを確立し,津波堆積物を次々に発見してきた.その成果は政府の津波防災計画に反映されるものとなった.これらの研究における着眼点,手法開発,その成果はいずれもユニークでまさに地質学の新しい地平を切り開いたパイオニアと言えよう.その先見性と調査システムとして優れた研究成果は,世界からも注目されており,これまでにも米国西海岸,トルコ,ベトナム,ネパールなど7ヶ国に上記の調査システムを持ち込んで,共同研究を実施してきている.さらに,同氏は地震・津波防災における普及教育活動にもたいへん熱心であり,この10年間に地元の高知県を始め16都道府県において995回もの普及講演会を実施している.小規模なものであれば十数人程度の集会から,大規模なものであれば数百人のものまで,集会の大小を問わず懸命に津波防災の重要性を説いて回っており,将来の津波災害の被害低減のために尽力している.
以上,斬新な研究手法の開発と献身的な防災教育活動は日本地質学会表彰に相応しく,ここに推薦する.

 

 

受賞者:静岡県袋井市(代表者 市長 原田英之)
表彰業績:地層保全を活かす市民公園の先駆的取り組み

  静岡県西部の丘陵を構成する鮮新−更新統掛川層群は,貝化石を多産し,浅海〜深海までの層相が連続的に分布することから,地質学的・古生物学的研究が数多くなされてきた.その貝化石群は掛川動物群と呼称され,当時の古黒潮流域に繁栄した暖流系動物群の模式として有名である.しかしながら,開発による露頭消滅などで,市民がそのような地質遺産を実感できる機会は失われつつあった.ジオパーク設立の勢いに象徴されるように,露頭の保護や整備は日本各地で進行中であるが,新第三系や第四系からなる丘陵地の場合,風化や植生被覆,露頭の小規模性など,行政がその意義を意識しなければ,露頭はありふれたものとして失われやすい状況にある.
袋井市は,このような露頭を保全・活用した宇刈里山公園を整備し,2012年5月にオープンさせた.公園では地層断面をはじめ,生の自然を展示・活用して,市民が里山の自然史を意識できるよう工夫がこらされている.公園入口には,宇刈層の断面が保全され,足元の地下の様子を実感しながら,貝化石や生痕化石,ハンモック状斜交層理,断層などから,大地の成り立ちを学べるよう観察ポイントが示されている.公園内に設置された貝化石密集層のブロック標本では,化石産状の観察を通して200万年前の温暖化した海の様子を推定させ,メタセコイアの植樹コーナーでは産出した植物化石もあわせて解説し,当時の陸上の様子を思い描けるようストーリー性ある構成となっている.市民の憩いの場であると同時に,学校や市民団体も見学に訪れ地学教材としても大いに活用されている.静岡県の丘陵地には,古刹をはじめとする歴史遺産や風習,なだらかな地形を利用した茶畑など,自然と文化・生活とが融合した日本独自の里山環境が成立している.このような身近な丘陵地の地質学的な成り立ちを深く知ることは,日本人の自然観を育む上で重要な鍵となる.袋井市は,公園整備に至る過程で地元自治会とワークショップを繰り返し,地域の地質遺産を住民とともに再発見していったが,この点でも地質学を社会に浸透させる一つのモデルケースを提示している.我々は得てして雄大な自然景観や,貴重で珍しいという価値に目を奪われがちであるが,今回の袋井市の地道な活動は身近で小規模な露頭を保全することの大切さを示した先駆的な取り組みとして高く評価され,今後の波及効果は大きいと予想される.以上の理由により,日本地質学会表彰に値すると考え,ここに推薦する.