愛媛大会開催通知


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開催通知:日本地質学会第124年学術大会
愛媛大学城北キャンパス(愛媛・松山市)にて,
2017年9 月16日(土)〜18日(月)に開催

 〜ようおいでたなもし,四国地質お遍路の旅へ〜


日本地質学会は,愛媛県松山市の愛媛大学城北キャンパスにて,第124年学術大会(2017年愛媛大会)を「ようおいでたなもし,四国地質お遍路の旅へ」というテーマで 9月16日(土)〜18日(月),巡検を19日(火)〜20日(木)に開催します.

前回,愛媛大学において開催された本学会の大会は第98年学術大会(1991年)で,今から25年前にもなります.その後,開催地が支部単位のローテーションとなってから,四国地区では,第113年学術大会(高知大会,高知大学,2006年)に続いて 2回目の開催となります.

この間,国内では,多数の自然災害が発生しています.例えば,地震災害では,多くの国民の記憶に最も焼き付いているのが,2011年 3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災でしょう.この震災では,地震動と津波によって東京電力の福島第一原子力発電所で発生した炉心溶融(メルトダウン)とそれに引き続き発生した水素爆発による原子力建屋破損などによる一連の放射性物質の放出をともなった原子力事故が起こりました.これによる放射能汚染された地域の除染および汚染排水の処理は,5年以上経過した今も継続しています.また,西南日本でも,1995年 1月 7日の兵庫県南部地震とそれによる阪神・淡路大震災,2005年 3月24日の芸予地震,そして2016年の 4月14日の熊本地震など,大きな被害を伴う地震が頻繁に発生しています.

福島の原子力発電所の事故をきっかけとして,社会の中における科学技術のあり方が注目されています.科学技術は,私たちの生活を豊かにしてくれる一方,今回のような非常に困難な事態を引き起こします.この問題を早くから提言を出していたのが,アメリカの核物理学者・ワインバーグ博士です.同博士は,1972年に,科学技術のもたらす問題には,科学だけで解決できないものが増大しており,それらの解決には,科学者と市民との対話が必要であると述べ,「科学に問うことはできるが,科学だけでは答えることができない問題群」をトランス・サイエンス問題と呼んでいます.

この観点から考えると,これら地震災害の発生によって,地域社会から地質学者の意見に対する注目度は増大していますが,その発言の責任も問われると考えなければなりません.すなわち,どこまで科学的に検証されているのかという点です.「私はこう考える」という意味の解釈が独り歩きして,社会に間違ったシグナルを出してはいけないということでもあり,その社会的影響を考えなければなりません.地質分野の科学者・技術者は,国民に対してわかりやすい言葉で,かつ科学的にデータを十分に揃え,正確な見解を発信していく必要があります.今後も地震などの自然災害が多数予想されていますが,地質学者は,地域社会とどのように対話し,被害を低減することに貢献できるのかという課題に正面から取り組む必要があります.

さて,明るい話題では,四国では,2011年に室戸ジオパークが世界ジオパークになり,2013年に四国西予ジオパークが日本ジオパークに認定されました.これらの地域では,長年にわたり,多くの地質学会関係者が地域と協働して実践共同体を立ち上げ,ジオパーク認定に向けて活動してきました.これらの地域以外でもいくつかの地域でジオパークを目指す活動が始まっており,今後も益々活発になると思われます.

皆さん,ご存知のように,四国の地質は,西南日本外帯の付加体の帯状配列が認められる地域であり,四国のほとんどを山地が占めるため,海岸沿いを中心に地質学的に重要な基盤岩類の産状を示す露頭が多数観察されます.本大会後半には,巡検が多数用意されていますので,是非,ご参加ください.

今回,実行委員会で提案したテーマは「ようおいでたなもし,四国地質お遍路の旅へ」です.「ようおいでたなもし」とは、伊予弁で「いらっしゃいませ」という意味で、この「お遍路」とは,四国八十八箇所霊場を順番に回ることで知られる「四国遍路」をする人々のことです.これらの寺院は,空海(弘法大師:774年〜 835年)が修行を行った地として伝えられる寺々で,その道のりは約1,400 kmに及びます.2015年には,四国遍路が文化庁によって日本遺産として認定されており,現在,世界遺産の認定を目指しています.四国遍路は,長い歴史を超えて地域と共存し継承されてきた,四国が世界に誇る生きた文化遺産なのです.

今回のテーマには,四国支部からの 2つのメッセージが含まれています.一つは,四国遍路遺産を構成する無形の文化・習俗・思想・伝統という歴史文化的要因が四国という島の固有の地形・地質・景観などが土台になっているということです.すなわち,ジオ(地質も含む大地)が四国遍路という文化的遺産を1000年以上にも渡って育んできたのです.そして,二つ目は「お接待」の精神です.四国では,お遍路さんに対して,地域の人々がお茶や果物等でもてなし,応援する「お接待」と呼ばれる風習が今も受け継がれています.四国支部では,本学術大会期間中,このお接待の精神を余すところなく発揮し,皆さんをおもてなししますという決意表明なのです.

現在の日本は少子高齢化の影響で,本格的な人口減少期を迎え,愛媛県のすべての自治体で人口減少が顕著になってきています.同時に自治会などの地域コミュニティの活動も停滞・消滅へと向かいつつあります.一方で,そのような状況を乗り越えようと頑張っている自治体もあります.市民講演会も「地質学を活用して,地域イノベーションを共創しよう」というテーマで行い,学会が地質学という切り口で,地域社会とともに課題の解決に取り組みたいという意欲を表しています.

今回の大会は,愛媛大学城北キャンパスでの開催となります.城北キャンパスは,松山城のすぐ北側に位置し,ダウンタウンから徒歩で10分という極めて利便性の高い場所です.気晴らしに散歩をしながら,松山城・道後温泉などの観光地めぐりや,愛媛県の秋の味覚を手軽に楽しめるのが特徴です.

なお,来年の10月は国体が愛媛県で開催されるため,その数か月前から 9月以降にホテルの予約が困難になると予想されています.愛媛大会に参加される会員の皆さんは,是非,早めの予約をお願いいたします.

愛媛大会の成功に向けて,大会実行委員会,愛媛大学理学部・社会共創学部,四国支部幹事一同努力を重ねております.実りの多い大会になりますよう,皆様のご参加を是非お待ちしております.それでは,松山でお会いしましょう.

日本地質学会第124年学術大会(愛媛大会)
実行委員会委員長 榊原正幸

 
 

 

 

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愛媛大会に向けてのスケジュール

愛媛大会に向けてのスケジュールは例年とほぼ同じ日程です.余裕をもってご準備お願いします.
5月下旬(ニュース誌5月号)大会予告記事.演題登録・講演要旨受付開始
7月5日(水):演題登録・講演要旨受付締切ランチョン・夜間小集会申込締切.
8月上旬:巡検参加申込締切
8月中旬:大会参加登録・懇親会参加申込締切
9月16日(土)〜18日(月):第124年学術大会(愛媛大会)
9月19日(火)〜21日(木):ポスト巡検