日本地質学会第124年学術大会:セッション招待講演者

 

世話人や専門部会から提案され,行事委員会が承認したセッション招待講演者(予定)の概要を紹介します(タイトルをクリックする).なお,講演時間は変更になる場合があります.

 

トピックセッション(9件)    
T1.文化地質学 T2.鬼界カルデラ研究の成果 T3.変動帯日本列島内安定陸塊
T4.日本列島の起源・成長・改変 T5.三次元地質モデル研究 T6.極々表層堆積学
T7.スロー地震の地質学 T8.中央構造線と活断層系 T9.「泥火山」
レギュラーセッション(25件)    
R1.深成岩・火山岩 R2.岩石・鉱物・鉱床学一般 R3.噴火・火山発達史
R4.変成岩とテクトニクス R5.地域地質・地域層序・年代層序 R6.ジオパーク
R7.グリーンタフ    
R8.海洋地質 R9.堆積物の起源・組織・組成 R10.炭酸塩岩
R11.堆積過程・環境:地質 R12.石油・石炭地質 R13.岩石・鉱物の変形と反応
R14.沈み込み帯・陸上付加体 R15.テクトニクス R16.古生物
R17.ジュラ系+ R18.情報地質とその利活用 R19.環境地質
R20.応用地質・ノンテク構造 R21.地学教育・地学史 R22.第四紀地質
R23.地球史 R24.原子力と地質科学 R25.鉱物資源と地球物質循環

 

T1. 文化地質学

・波田善夫(岡山理科大学生物地球学部生物地球学科:非会員)30分
波田氏(植物生態学,前岡山理科大学学長)は,1999年設立の岡山理科大学『岡山学』研究会の初代代表であり,2002年発行のシリーズ『岡山学』1の巻頭言に,「『岡山学』は,岡山というひとつの地域に焦点を当て,自然科学,人文科学,情報科学の分野を統合して総合的に検討しようとする試みです.」と述べている.講演での『岡山学』研究会設立のきっかけ,地質・地形,植物,農耕などは,文化地質学に指針を与えるものとなる.

・藤田勝代(深田地質研究所主任研究員,深田研ジオ鉄普及委員会幹事:会員)30分
「ジオ鉄」は,藤田氏が,2008年に加藤弘徳氏・横山俊治氏とともに,「国際惑星地球年」(2007-2009年)の理念に基づき,鉄道を利用して地質・地形を気軽に楽しむ旅行を企画構想したのが始まりである.2009年に第1路線JR四国土讃線のジオ鉄が,2011年に第3路線JR四国 予土線のジオ鉄が公表され,現在は第7路線「三陸鉄道」を取り組まれている.講演での「ジオ鉄」の課題意識や取り組みなどは,「文化地質学」の社会活用に有益である.
 

T2.最近の鬼界カルデラ研究の成果と今後の課題

・蛭光博(都城市教育委員会:非会員)15分
標胸畊邑迭慂野の新進気鋭の研究者であり,ライフワークとして鬼界アカホヤ噴火より,南九州の縄文社会や文化の盛衰について,土器研究からアプローチしている.
・ 杉山真二((株)古環境研究センター:非会員)15分
杉山氏は考古学分野のシニア研究者である.彼はライフワークとして鬼界アカホヤ噴火より,南九州の環境変化を花粉,プラントオパール,珪藻等の生物遺骸からアプローチし,これまで多大な研究成果をあげている.

ページTOPに戻る

T3.変動帯日本列島内安定陸塊の探査

・趙 大鵬(東北大学理学部地球物理学科:非会員)30分
趙氏は,地震波トモグラフィーの日本における第一人者である.特に,西南日本におけるフィリッピン海プレートから日本海までの詳細な三次元P及びS波速度モデルを提案している.さらに,同じ場所の地震波減衰トモグラフィーも詳細に決めている.彼のデータは吉備高原安定陸塊説を支持している.指示する理由を詳細に説明する講演を期待している.
・松多信尚(岡山大学教育学部:非会員)30分
吉備高原域安定性の検証には,最先端活断層研究による検討が不可欠である.松多氏はフォッサマグナや台湾等の活断層に取り組んで来たが吉備高原域も研究している.変動地形の判読を数多くの地域で行っているほか,多くの活断層のトレンチ調査を遂行し活断層の判定能力は高い.さらに物理探査などの調査も広く取り入れて正確な活断層の抽出を行っている.安定性を地球科学的に示していく指針を深める重要な議論が期待される.
 

T4.日本列島の起源・成長・改変

・鳥海光弘(海洋研究開発機構イノベーション本部:会員) 15分
・土谷信高(岩手大学工学部:会員)15分
両氏は日本列島の地質を永年研究してきた実績を持つ.最近,ジルコン年代学による新たな新事実が次々に発見され,日本列島の地体構造の理解が大きく変わろうとしている.地域地質に深い理解を持つ両氏に講演していただくことによって,昨今忘れられがちな地域地質学の威力をアピール出来ると考える.是非講演を御願いしたい.

ページTOPに戻る

T5.三次元地質モデル研究の新展開

・西山昭一(応用地質(株):非会員)30分
西山氏は地質調査業界において長年第一線で各種三次元地質モデル構築を業務として取り組み,三次元モデラーを自社開発され,この分野で業界をリードされている.現在,土木・建築分野での三次元地質モデルの技術課題解決に向けたコンソーシアムをけん引されている.西山昭一氏には,本セッションにおいて,その事例と今後の課題を紹介して頂く.
・藤井哲哉((独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構:非会員)30分
藤井氏は,JOGMECのメタンハイドレート研究開発グループ課長を長年務め,これまでにメタンハイドレート開発にかかる多くの三次元地質モデリングや時間軸を含めた移動集積シミュレーションスタディを手がけており,国際誌掲載論文も多い.このため,今般,本セッションにおいて資源開発業界における地質モデリングに関する最新知見の提供を行っていただく.
 

T6.極々表層堆積学:「堆積物」への記録プロセスの理解

・池原 研(産業技術総合研究所:会員)30分
池原氏は,堆積学,海洋地質学を専門としており,東北沖や日本海,南海トラフなど幅広い海域において,現世から過去の堆積物を堆積学的に研究され,様々な環境での表層堆積物や表層での堆積・擾乱プロセスについて詳しい.特に,東北沖地震後の仙台湾やその沖合の表層コアを用いて,タービダイトの堆積プロセスや生物・振動による堆積物の擾乱について検討されており,堆積物の堆積・記録プロセスを語る上では欠かせないテーマである.上記の理由から池原氏を招待講演者として推薦した.
・長尾誠也(金沢大学環日本海域環境研究センター:非会員)30分
長尾氏は地球化学・環境放射化学を専門としており,河川水流域から海洋沿岸域において,放射性核種や安定同位体比を用いて移動する物質の起源推定や移行挙動を検討し,流域全体における物質循環について詳しく研究されている.地球化学的な視点から見た物質循環・動態の議論は堆積物の表層プロセスを理解する上で,不可欠である.上記の理由から長尾氏を招待講演者として推薦した.
 

T7.スロー地震の地質学

・小原一成(東京大学地震研究所:非会員)30分
小原氏は,スロー地震研究の第一人者である.小原氏に地震・測地観測から得られるスロー地震像を紹介して頂くことで,地質学的研究から得られるスロー地震像と今後どう共有し,互いにフィードバックさせながらスロー地震発生像の理解を深めていくのか議論したい.松山大会が開催される四国西部はスロー地震の活動が西南日本の中で最も活発な地域であるので,小原氏による招待講演は時期的・開催場所的に絶好の機会であると言える.
・Ake Fagereng(Cardiff University:非会員)30分
Fagereng氏は,スロー地震の地質学研究をリードする研究者である.Fagereng氏に地質学的に見たスロー地震の原因に関するこれまでの研究成果を紹介して頂き,地質学的にみた浅部と深部スロー地震の類似性と相違,ゆっくりすべりのレオロジーなどを議論したい.

ページTOPに戻る

T8.中央構造線と中央構造線活断層系

・斎藤 眞(産業技術総合研究所:会員)30分
斎藤氏は5万分の1地質図幅「砥用地域」,20万分の1地質図幅「八代及び野母崎の一部」などの調査・研究を通して,それまで中央構造線の延長と考えられてきた臼杵ー八代構造線の両側に同じ地質体が存在するとの知見を得,九州に中央構造線はないとの結論に達した.このことは,本セッションの中心的な課題とするところであり,招待講演者として選定した.
・伊藤谷生(帝京平成大学:会員)30分
伊藤氏は長年反射法地震波探査の研究に携わってきた.特に本セッションのテーマに関わっては,多数の共同研究者らとともに,四国東部の中央構造線を横断する30 km超の深部に及ぶ地質構造を明らかにしたことは特筆される.中央構造線と中央構造線系活断層帯との関係についての最新の知見が拝聴できることを期待して招待講演者として選定した.
 

T9.「泥火山」の新しい研究展開に向けて

・中野 優(海洋研究開発機構:非会員)30分
JAMSTECが熊野海盆から四国沖にかけて展開している地震・津波観測監視システム(DONET:Dense Oceanfloor Network system for Earthquakes and Tsunamis)は,南海トラフの地震,津波,地殻活動の観測のために,海底に設置された強震計,広帯域地震計,水圧計,温度計,ハイドロフォンなどによるデータを常時取得している.熊野海盆で既に知られる14の泥火山のうち海盆東側に分布するものは,一部がDONET敷設海域に重複するために,DONETがそれら泥火山の微細な活動をも捉えていると考えられる.しかしながら,未だDONETデータから泥火山活動に伴うシグナルを抽出するには至っていない.今後,熊野〜四国沖に分布する泥火山の活動を解明するにあたってDONETと泥火山研究の連携を模索するために,中野氏に,DONETが取得するデータや主に低周波地震に関する解析成果などについてご紹介をいただき,さらにDONETデータの利用方法や私たちが注目するべき泥火山活動に伴うシグナルの検出方法など議論を拡げていただく.
・中田亮一(海洋研究開発機構高知コア研:非会員)30分
中田亮一氏は新進気鋭の若手地球化学者で,水圏の希土類元素やその他の化学物質の挙動に関する研究など,多岐にわたるフィールドで活躍されている.泥火山もその一つとして研究されており,泥火山から排出される3つの異なる系(泥・水・ガス)を一つのシステムとして捉え,泥火山噴出物の起源物質や深度を求めた.また近年特に海洋資源開発などで注目度の高いREE(レアアースエレメント,希土類元素)が,泥火山を多く擁する油田地帯で濃集する過程を議論している.中田氏には油田地帯の泥火山における起源物質・深度・深度解析実例から,油田におけるREE濃集にかかる可能性まで,ご自身の一連の研究成果に沿ってご紹介いただく.

ページTOPに戻る

R1.深成岩・火山岩とマグマプロセス(招待講演なし)

R2.岩石・鉱物・鉱床学一般

・山田亮一(東北大:非会員)30分
山田氏は,長らく黒鉱鉱山の探査に従事され,その後,東北大にて黒鉱鉱床の成因を島弧発達過程の視点から研究されてきた.同氏の研究の時空間能の高いデータは,現世の海底熱水鉱床や岩石ー流体反応の広がりを理解する鍵となると期待される.招待講演では,黒鉱鉱床の変質とその時空間的広がりに関する最新の話題を提供して頂く予定でである.

R3.噴火・火山発達史と噴出物(招待講演なし)

R4.変成岩とテクトニクス

・高須 晃(島根大学:会員)30分
高須氏は,岩石組織観察と熱力学的な解析に基づき,国内外の高圧・超高圧変成岩を用いてプレート収斂域での物質移動に関する時空間スケールについての研究を展開してきた.特に,本大会を開催する愛媛県にも重要な露頭がいくつも存在する,四国中央部のエクロジャイトの研究では,低変成度の変成帯の中に温度圧力履歴の異なる高変成度の岩体が産することの発見と意味づけを行い,今日に至る三波川変成帯の研究史の中でも一つのターニングポイントとなる重要な貢献をしている.近年ではキルギスタンとの国際共同研究で天山山脈の高圧・超高圧変成岩を題材に大陸衝突帯の物質移動に関しても重要な知見をいくつも提示しており,その貢献もあり2012年にはキルギス国立科学アカデミーから名誉博士号を授与されている.高須氏には,高圧・超高圧変成岩の沈み込みと上昇過程,その際に伴われる物質移動を含めたプレート収斂域のダイナミクスに関する魅力的な講演を期待する.
・石塚英男(高知大学:会員)30分
石塚氏は,徹底した野外調査,岩石組織観察と相平衡岩石学的解析に基づき,国内外および陸域・海域の高圧型・高温型変成岩など幅広い地域・岩石を対象として,詳細な地質学的研究を推進してきた. 中でも,神居古潭変成帯,秩父帯などにおける詳細な変成分帯と全岩化学組成の融合に基づく原岩形成から変成作用に至る地史の解明,あるいは,日本南極地域観測隊の地質学分野の活動におけるセールロンダーネ山地やエンダービーランド地域などの先導的な調査・解析など,日本の地質学・岩石学にとって多岐にわたる重要な貢献が認められる.石塚氏には,多様な地域・岩石を対象としてきたからこそ得られた変成岩研究による地質学の重要性に関する講演を期待する.
 

R5.地域地質・地域層序・年代層序(招待講演なし)

R6.ジオパーク(招待講演なし)

R7.グリーンタフ(招待講演なし)

R8.海洋地質

多田隆治(東京大学:会員)30分
 多田隆治氏は海域および陸域双方の地質記録からアジアモンスーンの進化に関する研究を進め,2013年には自らが代表プロポーネントとして計画された日本海および東シナ海北部のIODP(国際深海掘削計画)Expedition 346に共同主席研究者として乗船した.現在,その成果がまとめられつつあり,そこから明らかにされつつあるアジアモンスーン変動の時代変化や日本海の海洋循環との関係に関する新知見などについてご講演頂く.
・池原 実(高知大学:会員)30分
 池原 実氏は長年にわたって様々な指標を用いた古海洋学的研究を行っており,特に南大洋においてはIODPの掘削提案を行う中心的な役割を果たしている.今後数年間は南極海においてIODPによる掘削航海が立て続けに計画されていることなど,これから注目される研究テーマとして関心が向けられている.池原氏には,南大洋が気候変動に果たす役割について最新の研究成果や国内外の研究動向,今後の課題についてご講演頂く.

ページTOPに戻る

R9.堆積物(岩)の起源・組織・組成

・宮田雄一郎(山口大:会員)30分
宮田氏は,砕屑物の粒子形状・定向配列プロセスを中心に研究を実施されており,その結果は堆積場の判別や未固結変形過程の成因究明に応用されている.当セッションの重要課題の一つである砕屑物の組織についてご蓄積されてきた定量解析方法についてご講演頂き,砕屑物の形状・組織から何が読み取れるのかを考えるきっかけとしたい.
 

R10.炭酸塩岩の起源と地球環境

・浦田健作(大阪経済法科大:会員)30分
浦田氏は,カルストの主体となる洞窟と地表地形との関係を地下水によって結ばれたカルスト・システムとして捉え,地質学・地形学的観点からカルスト科学およびカルスト形成過程に関する研究に一貫して取り組んでいる.鍾乳石の地球化学的情報を用いた古環境解析が盛んに試みられているが,カルストそのものを古環境データベースと考えて日本各地のカルストについて炭酸塩岩の地質構造,地形形成,環境変動などの形性要因の影響を解明する研究も進めている.今回は,カルストシステム研究に関するレビューと最新の知見をご紹介いただき,カルストシステムや古環境復元についての研究をさらに発展させるきっかけとしたい.
 

R11.堆積過程・堆積環境・堆積地質

・成瀬 元(京都大学大学院理学研究科:会員)30分
成瀬氏は,堆積物重力流について,実験,野外調査,組織解析,モデリングといった多様な側面から,その挙動や堆積過程についての研究を行ってきた.成瀬氏はこの分野を世界的にリードする研究者の一人である.2015年に公表された,混濁流とその堆積物についての研究の方向性を示した論文は世界をリードする研究者らによって著されたのもので,成瀬氏はその著者の1人に名前を連ねている.成瀬氏には混濁流のモデリングについて,研究の方向性を含めたレビューを行って頂く予定である.今後の研究の方向性を議論する機会としたい.

ページTOPに戻る

R12.石油・石炭地質学と有機地球化学

・鈴木徳行(北海道大学:会員)30分
鈴木氏は有機地球化学的手法を用いた石油天然ガスの成因や探鉱に関する研究に一貫して取り組んでおり,この分野をリードする研究者である.また,バイオマーカーや炭素・水素同位体比に関する研究により,地球史や地球生物の進化についても数多くの業績を上げている.このような堆積有機物に関する研究は,炭化水素資源の成因論に留まらず,古海洋学,古気候学,古生物学,堆積学などの進歩と連動して地球生命システム科学の中心を担ってきた.本講演では,有機地球化学に基づく炭化水素資源・地球生物システムに関する幅広い知見をご紹介頂き,石油・石炭地質学および有機地球化学の更なる発展について考える機会としたい.
 

R13.岩石・鉱物の変形と反応

・増田俊明(静岡大:会員)30分
増田氏は,地殻由来の天然の岩石から歪み,応力,変形機構といった情報を読み取る構造地質学的研究に長年取り組んでおられる.講演では理論,実験,天然の解析と多岐に渡る研究成果から,天然の岩石から変形の各要素を読み取る手法の現状と展望についてお話いただき,2011年東北地方太平洋沖地震後に浮き上がった地殻の変形と応力状態の理解に向けて活発な議論を展開したい.
・内出崇彦(産総研:非会員)30分
内出氏は,微小地震から大地震まで規模の異なる多くの地震データの解析によって,震源過程の違いなど地震の性質を多様な観点から研究しておられる.講演ではこれまでの研究成果をご紹介いただき,地震学の観点から地殻の強度や地殻にかかる応力をいかに推定するか,その試みや問題点について活発な議論を展開したい.
 

R14.沈み込み帯・陸上付加体

・岡本 敦(東北大学:会員)30分
岡本氏は地殻におけるクラック形成,流体移動および鉱物脈沈殿プロセスの解明のために,野外調査,岩石化学分析,室内実験による鉱物脈合成およびモデリングなどの幅広い手法を用いて研究をされてきた.研究結果は,国際論文としてこれまで数多く公表されている.岡本氏の研究成果は,沈み込み帯における流体・物質移動,物性変化,地震発生といった幅広い分野にわたって関連するものであり,本セッションに参加する研究者の様々な視点による議論が期待できる.
・山本由弦(JAMSTEC:会員)30分
山本氏は,主として新第三系三浦ー房総付加体を対象に構造地質学的研究を精力的に進め,浅部での付加体・前弧海盆発達過程,帯磁率異方性を用いた歪み履歴の解析,シュードタキライトの発見など重要な研究成果をあげられてきた.最近では,地球深部探査船「ちきゅう」による室戸沖限界生命圏掘削調査(T-Limit)に乗船参加し,プレート境界断層の記載を行っている.本招待講演では,山本氏がこれまでに明らかにしてきた浅部プレート境界断層の実像について紹介して頂く予定である.

ページTOPに戻る

R15.テクトニクス

・大坪 誠(産総研:会員)30分
大坪会員は,過去から現在にいたる地殻のダイナミクスの理解をめざし,日本列島各地で応力逆解析による過去から現在にいたる地殻応力の解明などに取り組んでおられる.本講演では,海溝型巨大地震に関連する大規模断層と考えられる宮崎県延岡衝上断層の運動像を,応力の時間変化と流体の関与を中心に,南海トラフ海溝型巨大地震の迫る四国における招待講演として期待する.
・北 佐枝子(広島大:非会員)30分
北氏は,東北大学理学部時代に断層岩を学んだ経験のある稀有な地震学者であり,東北日本沈み込み帯のスラブ内地震の発生機構や,日高山脈下の地球内部構造など,日本列島下のテクトニクスに一石を投じる研究を精力的に進められている.近年取り組んでおられる南海トラフのスロー地震と地震波減衰構造の研究を中心に,南海トラフのスロー地震発生域のほぼ直上に位置する松山での招待講演をお願いしたい.

R16.古生物(招待講演なし)

R17.ジュラ系+

・佐野晋一(福井県立恐竜博:会員)30分
佐野氏は厚歯二枚貝の研究を牽引してきた.また,ベレムナイトの研究も共同研究者とともに進めている.これまでにこれらの分類群について多くの研究業績をあげている.近年,佐野氏はジュラ・白亜系の手取層群について,層序の再検討を積極的に行っている.招待講演では,アジアにおけるジュラ系・白亜系境界の広域対比に関する講演を期待している.

ページTOPに戻る

R18.情報地質とその利活用(招待講演なし)

R19.環境地質(招待講演なし)

R20.応用地質学一般およびノンテクトニック構造

・奥野 充(福岡大:会員)30分
奥野氏は九州の火山を中心に,年代測定をもとにした火山の噴火史に関する研究を続けられてきた.2016年熊本地震をきかっけに,火山体の崩壊・地すべりについても調査されている.本講演では阿蘇カルデラ内,京大火山研究センターなどで発生したアースフローの特徴や成因・メカニズムについて報告していただき,火山地域で発生する地すべりについて理解を深める糧としたい.
 

R21.地学教育・地学史(招待講演なし)

R22.第四紀地質(招待講演なし)

R23.地球史

・牛久保孝行(海洋研究開発機構高知コア研究所:非会員)30分
牛久保氏は,二次イオン質量分析計を用いた局所同位体分析の専門家である.その研究対象は多岐に渡り,地球の岩石だけでなく隕石研究でも多くの業績を出されている.今回の地球史セッションでは,地球初期のジルコンの研究や,原生代の硫黄同位体分析について紹介していただく.
・亀山真典(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター:非会員)30分
亀山氏は,マントルダイナミクス研究の第一人者である.数値シミュレーションによるマントルダイナミクスの研究や,シミュレーションに必要な計算手法の開発で,これまで多くの業績をあげてこられた.地球史セッションでは,超大陸サイクルやマントル深部の熱化学構造の理解を目指した最新の研究成果について講演していただく.

ページTOPに戻る

R24.原子力と地質科学

・小林大和(経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部放射性廃棄物対策課課長:非会員)30分
小林氏は,経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部 放射性廃棄物対策課課長として,日本の地質環境における地層処分の実施可能性について,国の審議委員会である放射性廃棄物ワーキンググループ等での議論の取りまとめを行っており,今後の地層処分事業/研究開発の現場と課題について最新の話題を提供していただく.
・大江俊昭(東海大学工学部原子力工学科:非会員)30分
大江氏は,核化学や元素の拡散,吸着現象などの地球化学的な観点から,放射性元素の粘土中での挙動,反応についての研究を進めつつ,そのモデルシュミレーションに関する研究を専門的に展開してきた.とくに近年では,地層処分における人工バリア材料と天然バリア(地質環境)との相互反応に着目した研究を実施している.これらの知見は,地層処分のサイト選定やサイト調査において不可欠であり,当該分野の最新の話題を提供していただく.
 

R25.鉱物資源と地球物質循環

・高橋嘉夫(東京大:非会員)30分
高橋氏は,放射光をはじめとする最先端のツールを駆使して原子・分子レベルの化学的素過程を突き詰めることで,地球における物質循環,環境変動,さらには資源形成に至るまでをも明らかにする,地球化学の第一人者である.資源に関する研究においても,有用元素の挙動と濃集プロセスを原子・分子レベルで突き止め,そこから今まで明らかとなっていなかった資源の成因を次々に解き明かしており,そのお話を聞ける機会は,資源研究者をはじめとする聴講者にとって非常に有意義なものになるはずである.本講演では,資源成因を明らかにするための最先端の手法と成果について話題を提供して頂く予定である.