第12回惑星地球フォトコンテスト入選作品

 

優秀賞:大地の鼓動
写真:横江憲一(北海道)

撮影場所:北海道 弟子屈町川湯温泉硫黄山

 

【撮影者より】
アサトヌプリは屈斜路カルデラの中に存在する活火山で,地質は,地質は安山岩およびデイサイト,流紋岩.サワンチサッブ,マクワンチサップなどの溶岩ドーム群からなります.噴気活動が活発で,火山ガスや水蒸気を出す噴気孔が1500以上あると言われており,写真は,山肌からはゴウゴウと音を立てながら噴煙がほとばしり,強風の中,黄色の硫黄の結晶がよく見える瞬間を切り取ったものです.

【審査委員長講評】
横江さんは北海道の火山や星景を熱心に撮影している作者で,一昨年の本コンテストでは雌阿寒岳の夜景で最優秀賞を受賞されています.今回は屈斜路カルデラ,硫黄山の硫黄を超広角レンズでクローズアップ.上弦前の月に照らし出された硫黄の黄色,そこから噴き出す水蒸気の白,バックの星空の青とカラフルで爽快感のある作品に仕上がっています.

【地質的背景】
日本最大のカルデラと言われる屈斜路・摩周カルデラの中央部にあるアトサヌプリ(硫黄山)は溶岩ドームで周辺には噴気地帯が発達しています.噴気の温度は100~120℃で,噴気から昇華した硫黄は1963年まで採掘されていました.電磁探査では,アトサヌプリの直下,十数km付近で比抵抗の非常に小さい部分が認められ,マグマだまりである可能性が指摘されています.(萬年一剛:神奈川県温泉地学研究所)

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