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┴┬┴┬ 【geo-Flash】 日本地質学会メールマガジン  ┬┴┬┴┬┴┬┴
┬┴┬┴┬┴┬  No.172 2012/3/21  ┬┴┬┴┬┴┬┴┬┴
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★★目次 ★★
【1】理事選挙および監事選挙結果のお知らせ
【2】コラム:世界のM9地震と地質学の課題
【3】本の紹介:「日本の地形・地質―見てみたい大地の風景116」
【4】プレスリリース「東日本大震災にかかる地質学の役割と対応について」
【5】2012年度会費払込/学部学生・院生割引申請受付中!3月30日(金)〆切
【6】支部・専門部会情報
【7】その他のお知らせ
【8】公募情報・各賞情報

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【1】理事選挙および監事選挙結果のお知らせ
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選挙規則ならびに選挙細則もとづき、一般社団法人日本地質学会理事選挙および監事選挙を実施いたしましたので、ご報告いたします。

一般社団法人日本地質学会 選挙管理委員会
委員長 兼子 尚知

詳しくは、 http://www.geosociety.jp/members/content0065.html
(会員番号・パスワードによるログインが必要です。
ログインの方法は http://www.geosociety.jp/outline/content0042.html

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【2】コラム:世界のM9地震と地質学の課題
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石渡 明(東北大学東北アジア研究センター)

  マグニチュード9.1(ここでは国立天文台(2011)に基づくモーメント・マグニチュード(Mw)を用いる)の2011年東北地方太平洋沖地震とそれに伴う津波および原子力発電所の事故による東日本大震災が発生してから1年になる。体に感じる余震はまだ頻発しているが、ここ数ヶ月間は被害を伴う地震の発生はない。今後の地震災害について考えるために、地球上で過去にM9クラスの超巨大地震が発生した地域における、その前後の地震活動の推移を知ることが大切だと思い、それらの地域における最近の大地震の時空分布を簡単にまとめてみた。そして、我々地質研究者の当面の課題について考えてみたい。

続きを読む、、、
http://www.geosociety.jp/faq/content0365.html

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【3】本の紹介:「日本の地形・地質  見てみたい大地の風景116」
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写真:北中康文、解説:斎藤 眞・下司信夫・渡辺真人
文一総合出版、東京、287 p.(18x11 cm)、定価:2,200円+税
 
  表題にある大地の写真+解説集、見て・読んで・楽しい本が出版された。旅好きの方に必携の1冊であり、温泉巡りの旅にも携帯すると自然の美しさ・素晴らしさが道々理解でき、充実した旅となること請け合いである。また大地をこれから研究しようとする学生諸君を手引してくれる書でもある。本書は日本全国の天然記念物・世界遺産・ジオパーク・地質百選などから116ケ所の美しい自然景観を選び、その場の地質現象やそれが持つ意味が解説される。解説地点は冒頭の日本地質図上にプロットされている。写真はそれぞれの地点で最適な時期を見て撮影されたものと思われ、非常にきれいで魅力的である。
  本書は、まず「自然の風景を楽しむために」と題して、筆頭著者の斎藤 眞さんが本書出版の目的について述べ、観光地や温泉地など、何処にでもある地形や露頭に現れた地質現象が本書の解説などによって正しく理解され、内容を知ることによって自然現象を深く理解し・楽しむことを提案する。写真は全国からの116ケ所550枚に及ぶが、それぞれが適切な時期に写真家、北中康文さんによって撮影されており、見事な出来栄えである。前書には「シャッターを切る前に」と題して、時間軸が重要な地質現象などの撮影を成功させる秘訣の解説がある。
  本書は北海道地方から九州・沖縄まで8章に分けられている。北海道地方は、冒頭の知床五湖から見る紅葉に新雪を被る羅臼岳知床連峰の見開き写真に度肝を抜かれる。現世の知床半島火山岩類の解説があり、ついで後期白亜紀の根室の水中玄武岩、車石の解説がある。次いで白滝黒曜石、北海道ならではの夕張石炭大露頭と幌満かんらん岩体、そして新冠泥火山・有珠山と昭和新山などの現世火山岩類である。
  東北地方は、まず青森県の恐山の金鉱床、仏ヶ浦の中新世凝灰岩類の海食地形、五能線沿いの十二湖・日本キャニオンの凝灰岩の崩落地形、岩手県では陸中海岸北部と南部の海食地形が6頁にわたり、そして夏油温泉の石灰華も収録されている。秋田-山形県からは、目潟火山群のマール、鳥海山は4頁にわたり紹介された。山形-宮城県からは蔵王山、福島県の磐梯山などの著名な火山がそれぞれ2頁を費やして紹介された。福島県には他に鮮新世凝灰岩の浸食地形のきのこ岩、塔のへつりなどがある。
  関東地方の茨城県からは中新世火砕岩が作る袋田の滝、出島のカキ礁:カキ殻は埋れないように比重が軽くカキ礁を作りやすい。栃木県からは塩原木の葉化石、安山岩で堰き止められた華厳の滝、建材で有名な大谷石。群馬県からは中新世凝灰岩の河食地形である吹割の滝、急崖を流れる常布の滝、草津白根山の湯釜、浅間山とその周辺。その他、埼玉県の秩父・長瀞、千葉県の犬吠埼と屏風ヶ浦、南関東ガス田、鮮新世の黒滝不整合、館山の海成段丘。東京都も1件あって、山の手崖線地形・武蔵野台地。神奈川県は三浦半島。
  中部地方はまず新潟県の中新世の新津油田、糸魚川・静岡構造線、小滝ヒスイ峡、富山県では現世凝灰岩を削った称名滝、立山カルデラと大崩壊、石川県では百万貫岩と桑島化石壁、福井県の東尋坊海岸、山梨県の瑞牆山岩峰群、名峰冨士山には6頁割り当てられた。長野県大鹿村の中央構造線、氷河地形の木曽駒ヶ岳千畳敷、花崗岩の河食地形の寝覚ノ床、岐阜県の飛水峡、根尾谷断層、春日のスカルン鉱床、石灰岩の赤坂金生山、木曽三川と濃尾平野、愛知県は鳳来寺山が選択された。
  近畿地方に入って滋賀県は伊吹山、三重県の二見浦の夫婦岩、熊野鬼ヶ城と獅子岩赤目四十八滝、京都府の天橋立、琴引浜、大阪府-奈良県の二上山、奈良県兜岩と鎧岳、屏風岩、和歌山県の一枚岩と虫喰岩、橋杭岩、さらし首層、滝の拝、瀞八丁など5件、兵庫県の六甲山、玄武洞、兵庫-鳥取県の山陰海岸など多数。
  中国地方は鳥取砂丘、島根県の立久恵峡・石見銀山、岡山県は神庭の滝、広島県の帝釈峡の雄橋・久井の岩海・三段峡の竜門、山口県の高山と須佐湾、秋吉台、網代ノ鼻の赤色層、四国地方は香川県の屋島、徳島県の阿波の土柱、四国の中央構造線、土釜、大歩危・小歩危、宍喰浦の化石漣痕、愛媛県に入って別子銅山、砥部衝上断層、面河渓、四国カルスト、高知県の室戸岬、竜串海岸など。
  九州地方では福岡県の平尾台、芥屋の大門、佐賀県は七ッ釜、長崎県の雲仙平成新山、熊本県は阿蘇カルデラ、立神峡、球泉洞と槍倒、天草御所浦、大分県の耶馬渓、八丁原地熱発電所、宮崎県高千穂峡、青島・鬼の洗濯岩、猪崎鼻フルートキャスト、関之尾滝、鹿児島県は霧島火山群、曽木の滝、桜島と姶良カルデラ、開聞岳、種子島の砂鉄、屋久島、沖縄県は石灰岩の海食崖である万座毛、槍穂の様に鍾乳石が垂れ下がる玉泉洞が取り上げられている。
  末尾には日本の主要な地質史が纏められ、また火成岩・堆積岩・変成岩の分類が示され、また本書で使われた用語の解説も行われているので、一般利用者に非常に便利な配慮がなされている。
  解説者はかって(1992年)、天然記念物特集を地質ニュース453,454号で企画し地学の普及に努めたが、今回はより広範囲に数多くの地質現象が取り上げられており、読者の地形・地質に対する理解がより深まるものと期待される。一般有識者や学生諸君に是非一読をお勧めしたい。

 

<石原舜三>

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【4】プレスリリース「東日本大震災にかかる地質学の役割と対応について」
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東日本大震災から1年を迎えるにあたり、この間の日本地質学会の取り組みと成果についてのプレスリリースを行いました。
提言の公表、シンポジウムの開催、学術的復旧事業への取り組み、学術的復旧事業の成果などを紹介しています。

プレスリリースの内容はこちら、、、
http://www.geosociety.jp/engineer/content0019.html

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【5】2012年度会費払込/学部学生・院生割引申請受付中!3月30日(金)〆切
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■2012年度会費払込について
  次年度分会費の前納をお願いいたします。自動引き落としを登録されている方は、12月26日(月)に引き落としを行いました。お振込の方へは、請求書兼 郵便振替用紙を、12月19日に発送いたしましたので、折り返しご送金をお願いします。
詳しくは、 https://www.geosociety.jp/user.php
(会員番号によるログインが必要です。
ログインの方法は http://www.geosociety.jp/outline/content0042.html

■2012年度(2012.4〜2013.3)学部学生・院生割引申請受付中
最終締切日:2012年3月30日(金)
申請書を毎年ご提出いただかなければ割引会費は継続されていきませんので、くれぐれもご注意下さい。
一次締切日(11月16日)までに申請書をご提出いただけなかった学部学生・院生のかたに対しては、【正会員】の金額にて請求書を発行(引落のかたは12月26日に自動引落)いたしました。
割引会費を希望する学部学生・院生のかたは、必ず最終締切までに申請書の提出をして下さい。あわせて、請求書(=郵便振替用紙)の金額を訂正し、2012年度会費をご送金ください(郵便振替用紙の再発行はいたしません)。
※郵便振替にて送金されるかたへ※
請求書に同封されている会費請求案内(黄色の用紙)の裏面に割引会費の申請書が印刷されていますので、ご利用ください。

申請書のダウンロードは、
https://www.geosociety.jp/user.php(会員番号によるログインが必要です)

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【6】支部・専門部会情報
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■関東支部 2012年度総会・地質技術伝承講習会開催
日時:2012年4月8日(日)13:30〜16:00
13:30〜    受け付け開始
14:00〜16:00 地質技術伝承講習会
講師:古谷 尊彦氏 (千葉大学教授 株式会社日さく顧問)
場所:北とぴあ 第一研修室(東京都北区王子1-11-1)
参加費:無料(会員,一般共)
※地質技術講習会に引き続き,関東支部総会(16:00〜16:45)を開催いたします.
地質技術伝承会に引き続き参加をお願いいたします.

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【7】その他のお知らせ
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■第11回中生代陸域生態系国際シンポジウム(以下MTE)および韓国の恐竜サイト巡検
中生代の陸域生態系のダイナミクス―超大陸の分裂に連動する環境変動に対する応答―を理解することを目指し,表題の国際シンポジウムが開催されます.
提案中のIGCP507後継プロジェクトが採択された場合,合同で第一回国際シンポジウムを開催する予定です.

シンポジウム
場所:韓国・光州市・金大中コンベンションセンター
日時:2012年8月15日(水)〜18日(土)
巡検(韓国南部の恐竜化石産出地):2012年8月19日(日)〜22日(水)
申込み締切:2012年3月30日(金)

詳細な情報,申し込みはホームページをご参照ください.
http://www.2012mte.org/
(情報提供:長谷川卓)

■地質標本館特別展「砂漠を歩いてマントルへ −中東オマーンの地質探訪」
開催期間:2012年4月17日(火)〜7月1日(日)
場所:産業技術総合研究所 地質標本館(茨城県つくば市東1-1-1)
詳しくは、、、
http://www.gsj.jp/Muse/eve_care/2012/omans_geology/omans_geology_index.html

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【8】公募情報・各賞情報
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■第3回(平成24年度)日本学術振興会 育志賞受賞候補者募集(学会締切5/30)

詳細およびその他の公募情報は、
http://www.geosociety.jp/outline/content0016.html

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報告記事やニュース誌表紙写真、マンガ原稿募集中です。
geo-Flashは、月2回(第1・3火曜日)配信予定です。原稿は配信前週金曜日
までに事務局(geo-flash@geosociety.jp)へお送りください。